現在発表されている2019年1.4東京ドーム大会のカード…
【いよいよ、あと約1か月!】
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) December 2, 2018
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おそらくメインイベントになるであろうIWGP戦。
実はこの試合には新日本の未来がかかっているのです。
その理由はEliteにあります。
画像引用出典:新日本プロレスワールド
現在TheEliteは
ヤングバックス
コーディ
マーティ・スカル
ハングマン・ペイジ
飯伏幸太
高橋裕二郎
のメンバー。
私はこの中で少なくとも
ヤングバックス
コーディ
マーティ・スカル
の4人は来年新日本に参戦する機会が激減すると考えています。
飯伏とケニー・オメガは現時点ではまだ新日本残留の可能性があります。
そして新日本はそれを強く望んでいるでしょう。
このあたりは後述します。
参戦が激減する理由…
それは『新団体』を設立するから。
新団体と聞くと規模が大きなものを想像してしまうかもしれない。
実際には団体というより所属事務所と捉えると辻褄が合うのかも。
新団体はプロモーター的な役割も果たすでしょう。
まず上記選手は新団体に籍を移します。
が、しかし新日本には出場します。
要するに今のROHと契約している選手と同じ立ち位置ですね。
ROHと契約し新日本にはパートタイムで出場する。
これが新団体に置き換わります。
新団体と契約し新日本にはパートタイムで出場する。
さらに新日本以外にもじゃんじゃん出場します。
でもこれっていままでのパートタイマーの選手と変わらないよね?
ってあなたは思うはず。
ここまでは同じです。
違うのはこのあとから。
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それは先程書いた新団体による選手のプロモート兼派遣活動。
選手と団体の橋渡しをするこのプロモート。
例えばいま新日本にいるパートタイマーの外人選手全員が新団体と契約し、そこから新日本に派遣されるとしたら。
新日本は新団体と業務提携せざるを得ないですよね?
無視する方法もあります。独自路線で選手獲得すれば良いんですから。
しかし海外転戦で巨額のマネーを稼ぐノウハウを持っているのは新団体のほうなのは間違いない。
現にヤングバックスもコーディもWWE並に稼いでいるのは周知の事実。
外人選手で有望株の選手はみんなこぞって新団体と契約することを選ぶはず。
新日本の契約に縛られず、ある程度の金を稼ぎ、家族との時間も確保する。
その生活が新団体にあるとしたら。
あなたならどちらを選択しますか?
さらにWWEを退団する選手の受け皿になり、その選手と契約し各団体に派遣する。
WWEから退団する選手は今までだとどこかの団体、もしくはフリーランスとして活動していました。
ここでも新団体が影響力を発揮できます。
受け皿となることで根こそぎ選手を囲うことが出来る。
そうなれば新日本は有望なWWE退団選手に直接アプローチすることが出来ず、新団体と交渉することになる。
新日本と直接契約するメリット作ることは結構難しいですからね。
金銭面も当然ですが、シリーズ参戦などの縛りは嫌がられるはず。
だって自由に活動しても稼げるんですから。
証明している選手がいるんです、沢山。
その最たる例がヤングバックス。
いままでは最も稼げるのは大きな団体に専属で所属しているスーパースターだけだったのに、彼らは不可能を可能にした。
核となる団体に所属こそしているが、多くの他団体に出場し人気と金を得る。
新たなビジネスモデルの形成に成功したのです。
この新時代にそれをサポートする新団体の登場。
しかもそれを指揮するのは新時代のカリスマ、ヤングバックス。
新日本は海外選手をセッテイングする際には新団体にお願いしないといけない。
ここまでのおさらい。
・新団体は主に選手のプロモート活動をする事務所的な団体になる。
・海外選手は自由とお金を求め新団体所属を希望する。
・新日本は選手確保のために新団体と協力しなければいけなくなる
よって新団体は新日本にとって邪魔な存在だけど、関係は崩したくないっていう絶妙な存在になるのです。
なぜ邪魔な存在になるのかというと、それは新団体が肩入れする団体が大きく躍進するから。
新日本にいい選手を派遣してくれるなら話は簡単なのですが、そうなるとは限りません。
ワンマッチのみの参戦になるかもしれないし、来ないかもしれない。
いま新日本にいる選手、例えばヤングバックス対オスプレイ&ザック・セイバーJrなんてカードがバンバン他団体で開催される。
さらにそこに元WWE選手も絡んできて夢のカードの実現。
そんなことになると新日本のブランド価値下がりますよね。
だって新日本で提供できるカードそのまま他団体で出来てしまうのですから。
下手したらそれ以上のカードが他団体で組めてしまう。
新日本に特別感が無くなってしまう。
外人オールスターが自由に転戦できる時代がもうそこまで来ているのです。
これは新日本としてもなにか対策をしなければ、死活問題になる。
新団体はWWEに継ぐ団体となる可能性もある。
しかし新団体の流れは止められそうにない。
せめて現在のファンだけでも確保しておきたい。
Eliteから新日本を守りたい。
そう考えた新日本は、Eliteに対しある作戦を仕掛けている。
新日本が仕掛けたある作戦とは?
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それはすべてのファンに新日本の絶対的強さを見せること。
そうすれば新日本スゲーってなってファンが離れることを防ぐことが出来る。
安易だけどこれが大事。
今年の新日本でのEliteの試合。
まずは年間最大級のビッグマッチの一つ
6.9DOMINIONin OSAKA-JO HALL
IWGPタッグ=ヤングバックス勝利
レイ・ミステリオJr.が参戦したスペシャルタッグマッチ=Cody勝利
IWGPヘビー級=ケニー勝利
すべてEliteの勝利。
(ジェリコは新団体に肩入れすることは確実なのでElite枠に入れました)
上半期最大の大会でのEliteの完勝。
まさに新日本の完全敗北。
Eliteに新日本は牛耳られてしまう。
ここで新日本はEliteの進撃を止めるために、ある選手に白羽の矢を立てます。
その大役を実行するのは誰か?
Eliteから新日本を守る選手。
新日本の砦。
棚橋弘至です。
彼ほど今の新日本プロレスを愛し躍進させた選手はいないでしょう。
オカダもいますが彼は今、本体所属ではありません。
やはり、新日本プロレスそのものを体現し感じさせてくれるレスラーは本体所属のなかの人物。
そのなかでも棚橋弘至しかいません。
そして迎えたG1 CLIMAX 28
新日本の強さを見せつけるべく出場した棚橋は見事決勝までコマを進める。
しかも決勝の相手はEliteの飯伏幸太。
さらにセコンドには柴田勝頼。飯伏にはケニー・オメガ。
『新日本プロレスを見せろ』と声を掛ける柴田。
舞台は整っている。
多くのサイトでは新日本対DDTなどと言われていましたが・・・
実際にはこれは新日本対Eliteの構図だったのです。
両者の思惑。
Eliteは新団体発足にあたり、海外にその強さとかっこよさを発信する必要がある。
新日本はEliteに新日本をいい宣伝に利用されたくない意地がある。
そして何より、Eliteよりも素晴らしいということをファンに印象づけ、今後の展開に備えたい。
それぞれの背中にそれぞれの思いがある。
それぞれ譲れない意地がある。
この戦いのあとにやってくる絶対に譲れない未来が。
試合は壮絶35分超えの結果、ハイフライフロー3連発で棚橋弘至が飯伏幸太に勝利。
新日本の象徴である棚橋が無事ファンに新日本の強さを印象づけることに成功します。
さらにここから非常に重要な場面が発生します。
見つめ合う二人。
何も言わずにただただ見つめ合う。
そしてなにか二人にしかわからない空間で無言で会話が進んでいく。
そして飯伏は首を左右に振り、距離を離し去っていった。
頭を抱えながら。
それを硬い表情で飲み込んだ棚橋。
解説ではいい試合をした証に棚橋が飯伏に握手を求め、それを納得できない飯伏が拒否したと言っていました。
あなたもそう思ったでしょう。よくあるプロレスのいち場面。
今回もそれが行われた。
飯伏は悔しかったんだろうな、試合に負けて。握手は出来ないよな。
あなたにはもう一度動画を見て欲しい。この考えが成立するような二人の表情ではないことを。
リング上の棚橋の思いつめた表情。
これはなにか?
飯伏が引き上げるときに頭を抱えていた。この意味。
これはなにか?
引き上げる飯伏の傍らのケニーの硬い表情。
これはなにか?
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私は最初にEliteのなかでも飯伏とケニーはまだ残留の可能性があると書きました。
それは契約がまだ残っているからです。
そして新日本は二人にこのまま新日本に残ってもらいたいと思っている。
試合後のリング上の棚橋の思いつめた表情。
そして対峙する二人。
私はここで二人の間で無言の残留の意思確認があったと考えています。
そして飯伏の答えはNO。すなわちEliteについていく選択。
その解答を受けての棚橋のこわばった表情だったのでは。
去っていく飯伏を横で支えるケニーの表情。
よく決断した。きみは間違っていないよ。
そう言っているような強い決意に満ちた表情。
ケニーもここで退団を決意したのか。
しかし飯伏は頭を抱えうなだれて歩いている。
これでよかったのだろうか。
まだ悩んでいる。そんな様子。
棚橋は飯伏の答えを受け止め、インタビュースペースでこう言っています。
『『俺が全員引っ張ってやる!』っていうのを飯伏に求めるのは、酷かもしれない。じゃあ、別に新日本プロレスじゃなくてもいいじゃないか。』
棚橋なりのエールと考えられませんか?
Eliteの動向は新日本にとって歓迎できない。しかし棚橋個人としては飯伏を応援する。
棚橋の優しさなのかもしれません。
次に迎えるビッグマッチはKING OF PRO-WRESTLING 。
ここでついに新日本は明確なEliteつぶしを敢行します。
この大会のメインイベントはIWGPヘビー級王者のケニー・オメガに、飯伏幸太、そしてCodyが同時に挑む3WAYマッチ。
全員Elite所属。完全にEliteのEliteによるEliteのための試合。
全世界に届けられるこの試合は、IWGPヘビーという新日本最高のベルトのかかった別格の試合。
当然注目度も高い。
Eliteとしては新団体への布石のために最大級の内容での試合を提供したいはず。
それを世界に届け、Eliteスゲーをやりたい。
今後の活動のために。
3人が互いに握手とハグをしてから試合開始。クリーンファイトの確認?いや違う。
Eliteを見せつけようぜって意思確認。
試合は観る者の想像を凌駕するハイレベルな攻防を展開。
34分を超える死闘は、ケニーが片翼の天使で飯伏を沈めて王座防衛。
まさにEliteここにありという圧巻の試合内容。
その後のケニーのマイクに彼の意思が透けて見える。
『みんな一緒に、BULLET CLUBじゃなくて、ELITE、ELITEで、最後でその(この)リング内に立ちましょう』
このスゲー試合をやったのはBULLET CLUBじゃなくてELITE。
新日本でもなくELITE。
俺たちELITEでしか出来ない試合。
観客にそれを印象づける。
Eliteスゲーを見せつけた。
まさに目標の達成。
観客は熱狂しEliteに称賛を送る。
これが新団体の試合。
これが新団体の景色。
これが新団体の望む姿。
しかし新日本はそれを許さない。
このままEliteスゲーの大会で終わらせない。
良いように利用されたままでは団体の未来に関わる。
この流れをゆるさない人物。
新日本の象徴棚橋弘至の登場。
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対峙するケニーと棚橋。
ここであなたは1.4のIWGP戦に意識が向いたはず。
構図としてはケニー対棚橋の前哨マイクアピール。
普通ならそう考える。
『ケニー君、俺は怒ってるよ』
この言葉にケニーはニヤリ。
ケニーもこの時点では1.4の流れのマイクアピールだと考えていたのでは。
余裕の表情だ。
しかし本当はこのマイクはElite対新日本の主導権の争い。
続けて新日本代表棚橋は強烈な一言をEliteにぶつける。
『ここは新日本だから』
ここは新日本プロレスのリング。
Eliteのリングではない。
今やったことはEliteのプロレス。
これは受け入れられない。
今のEliteの試合の全否定。
観客が熱狂しこんな試合俺らでしか出来ないとEliteが自画自賛した試合。
新日本プロレス下半期最大大会のメインイベントを、新日本自身が全否定。
新日本の覚悟が伺えます。
これは新日本じゃない。
ここのリングから去れとも受け取れる強烈な一言。
1.4のマイクだと思っていたケニーの顔が一瞬にして怒りの表情に変わる。
自画自賛したEliteの試合を全否定されたんです。
怒って当然。
全世界に新団体の狼煙を上げる布石となるはずのビッグマッチに泥を塗られたのです。
『ケニー、お前、賞味期限切れだ』
緩めない棚橋。
新日本の優位性をファンに深く印象づける。
Eliteを下げることで新日本の優位性のアピール、新団体への牽制を行う。
『東京ドームで決着つけようぜ』
棚橋の言う決着。それは新日本対Eliteの最終決戦。
1.4ケニー対棚橋。新日本は必ず勝たなければならない。
Eliteの牛耳る未来のプロレス界の末席に甘んじるのではなく、新日本がプロレス界の主役で生き残るために。