プロレスには社会とのバイパス手術が必要なんだよ!:秋岡清文

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黒パンツと黒シューズが似合う若者って誰だ?

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・レスラー 柴田勝頼" LA道場密着ドキュメンタリー「CALIFORNIA DREAMIN' 」
その第5回。

 

 

ちょっと取り上げるのが遅いですが・・・


今回はついにLA道場の選手がダークマッチながら初の試合に挑む。

 

本気か冗談かはわからないが、当初は自分自身が出場しようとしていた柴田。
今回出場はしないが、前回の放送で自分がやっていることすべてがプロレスなのだと語っていた。

 


このダークマッチでは自らが育てたレスラー2人がデビューする。
一年前では考えられなかった光景。
これもきっと柴田のプロレスの一部であろう。


『怪我してから1年と考えると長い。LA道場の視点で言えば結構早かった。』

 

もし柴田がこの1年を怪我の回復のみに費やしていたら。
1年中リハビリしかしていなかったら。
この時間はとてつもなく長いものになる。


すべてのことがプロレスと語っているが、やっていることの違いは当然有る。

 

  • リハビリというプロレスを1年やるのか。
  • リハビリをしつつLA道場のコーチとしてプロレスを1年やるのか。

 

LA道場で人を育てる経験を積む。
人間として成長もするし考えの幅が生まれる。
成熟していた柴田勝頼というレスラー。
そのレスラーに新たな刺激を与える。
つくづく今回の新日本プロレスの方針には感嘆するばかりだ。

 

 

ここでリハビリについて。
あなたはリハビリをしたことがあるだろうか?
どんな小さなものでもいい。
少しの期間であってもいい。
あなたにその経験があるなら、リハビリがどれだけ辛いものか知っているはずだ。

 

 

私は数年前膝を悪くし、歩くことがままならなかった時期がある。
最初は軽く考えていたのだが日増しに膝は悪くなるばかり。
膝にブニブニと水が溜まり、慢性的な炎症から疼痛を生じさせる。

 

MRIを撮ってみた。
診断は関節炎。
しかしなぜ炎症が発生しているか理由はわからないらしい。

 

痛い。
誰か私の足、膝から下交換してくれ。


心の底から願った。

 

意を決し長期の休みを取り、検査のため膝にメスを入れることにした。
その結果膝の痛みの原因が判明。
リハビリにより改善できるとのことだった。

 

 

膝の検査後はしばらくの間、脊椎麻酔により下半身の感覚が無い。
つねっても、叩いてもまったく。
尿意すら感じない。
病的ではないのだが、検査を終えた私には想定していなかった体験。


少し焦る。

 

自分の足が体の一部じゃない感覚。
付属品ですら無い。
例えるならば無機質な砂袋が腰から下にまとわりついている感じ。


逃れられないベッドの上で、死に誘う亡者が私を地獄の底に引きずり込んでいくようだ。

 

このまま下半身が動かなかったら…


ベッドの上で不安と恐怖が襲ってくる。

 

実際には麻酔が薄れていくにつれ、失われていた感覚は死の淵から蘇り、生命の尊さを感じる。
と同時に膝の痛みという感覚も戻ってくる。
あれだけイヤだった膝の痛み。
すごく痛いのだが痛みを感じられる喜び。


痛みがわかるって素晴らしい。
不思議な感覚に目覚める。

 

その後、膝の痛みの根本的な治療のためにリハビリを行う。
毎日毎日繰り返される、効果が実感できない様々な運動。
リハビリにはすぐ近くにゴールが用意されていない。
目指すは遥か彼方。

 

ロボットのように同じ動きを繰り返す。
床に伸ばしたタオルを、足の指だけ動かしてひたすらたぐり寄せていく。

 

ズリズリ。

ズリズリ。

 

地道だ。
全く面白くない。
本当に効果があるのか。

 

すぐに得られない回復に苛立ちを覚える。
あと何回やったらまた走ったりすることが出来るんだろうか

 

先が見えない。

 

退院してからも自主的なリハビリは続く。
来る日も来る日もつまらない同じ運動。

 

ズリズリ。

ズリズリ。

ズリズリ。

 

しかしこれをやらなければ回復は無いのだ。
また走りたい。
それだけをモチベーションに日々リハビリを繰り返す。

 

やがて1年もすれば当初よりもずいぶんと良くなっていることに気付く。

 

  • 歩けるようになった。
  • 走れるようにもなった。
  • やっとここまで来たか。

 

大きな達成感。
と同時に振り返れば地味で辛く長かったリハビリの日々。

 

柴田はこれよりももっと重症。
さらに辛い日々を経験しているはず。

 

もし柴田にリハビリという作業しか用意されていなかったら。
今のような明るい柴田は見れていなかっただろう .


LA道場が心のカンフル剤なのだ。

 

LA道場のデビュー戦とは?

 

『試合も練習も同じだってことを忘れるなよ!』
柴田のアドバイス
開始直前の練習であってもいつもどおり礼節を忘れない。
最後はリングに座りお互いに礼。

 

今まで教わったことを試合開始直前だからといって変えない。
これまでの練習に自信があるから変える必要もないのだ。

 

大会開始直前、柴田はリングサイドに歩みを進める。
口を真一文字に結び、会場を見渡す。
1年間の思いを噛み締めているのか。

覚悟を決め木槌を力強く打ち下ろす。


カーン

カーン

カーン

カーン

カーン

 

5回鳴り響いた甲高いゴングの音。
新日本の大会が始まるときに鳴るいつもの光景。


しかしこのゴングは単なる大会開始のゴングではない。
LA道場の開始の合図でもあるのだ。

 

『彼らにはここがゴールと思ってほしくない、ここからがスタート。』

 

そのスタートのゴングが柴田勝頼の手によって今鳴らされた。

道場生の試合はアメリカの人にどう映るのか。
会場で柴田が仁王立ちで観戦する。

試合は非常にクラシカルな展開。
それでいて新日本らしい攻防が随所に見られる。徐々に沸き立つ観客。戦いに引き込まれている。

うん、これは間違いなく新日本だしヤングライオンだ。


異国の地で新たなライオンが誕生したんだな。


しかし打撃よりもレスリングの比重が多いように感じる。

柴田の武器は打撃。

その教え子なのだからエルボーくらいあってもいい。

 

私の浅はかな感想を柴田の信念が打ち砕く。


『エルボーなんて教えてない』
『気持ちをもっと出したらいい。それがないと誰にも響くものがないんで』

 

重要なのは技ではない、戦う気持ち。
そこに戦いがあったかどうか。

柴田勝頼
彼の試合に惹き付けられていた理由はそこにあったのだ。
魂のこもった試合。
いや、試合だけではない。彼は常にプロレスをしていると言っている。
すべてに魂を込めて戦っているのだ。
だから柴田勝頼にファンは常に惹き付けられている。
試合をしていない今も。

 

『彼ら外国人ですが黒パンツと黒シューズが似合う若者育てましたね。』

 

素晴らしい誉め言葉。

あのインタビュアーの人のフレーズ、毎回良すぎるよ。

『LA道場はこれをやっているんだよっていうのを見せれたと思う』

そう話すときの柴田の顔はどこか誇らしげに見えた。

 

今日はLA道場コーチとしての柴田勝頼のデビュー日でもある。
『やっぱりプロレスは面白いですね。』
明日からも柴田勝頼のプロレスは続く。

 

 

読了ありがとうございました。

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